パラレル・ワールド~君と僕の命の起源

実は我が家と日下部家とは、姉弟がらみのご縁がありしまして。

流の姉彗は僕の姉蓮と同級で、おまけに親友という間柄。

僕の与り知らない、あの男の名前も、彼に聞いたら何処かで耳にしたってことがあるかもしれないと。

だから僕は、藁にもすがる気持ちで、恥を忍んで流に秘密を打ち明けたのです。


「だが……その名前は聞き覚えがある。

ってか、それって隆也兄のことじゃねぇの?」

「タカヤニイ?」

「そ、俺んちの隣りに住んでた姉貴の元恋人、山科隆也(ヤマナシタカヤ)。

ほら、家の姉貴、デキチャッタ婚で電撃結婚しただろ?

そんでもって、隆也兄は失意のうちにアメリカへ渡ったって聞いたけど」

「聞いたけど……って」

「十歳も違うんだぜ、俺と姉貴。そんな複雑な恋愛事情が俺にわかるかよ」



彗さんの息子の要くんが今六才だから……

もうかれこれ七年前の話かぁ……
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