パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
>『無限堂』
僕の頭は妄想で埋め尽くされていました。
葵さんが僕に語った、姉蓮と風花の輪廻の話。
そして実際に姉の抱える、現世での宿題。
僕を育てる満足感では得られなかった、女としての幸せの追求?
そして僕の愛する風花を、僕がどう関わることで救えるのか?
いやいや、こういう真面目で難しい話は苦手です。
が、妄想はなかなか僕の頭から消え去ってはくれないようです。
そんなことを考えながら自転車に跨り、日下部家から帰る途中、僕の携帯がメール着信の警告音を発しました。
お、これは緊急メールです。
この着信音は、僕の大事なアルバイト先、町外れにある骨董屋『無限堂』店主 松山限(マツヤマゲン)さんからです。