パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
と、突然、ケタタマシイ爆音で僕の目の前のお茶碗がグラグラと揺れ、怜ちゃんが血相を変えて立ち上がりました。
「レ~イ、いるかぁ~」
バイクのエンジン音に重なって響く大声は、どうやら怜ちゃんを呼んでいるようです。
「うぅ~すっ、あ、シンさん、お久しぶりです」
ヘルメットの下から現れたこのオレンジ色は、加瀬 純一郎(カセジュンイチロウ)くん。
怜ちゃんの幼馴染みの同級生です。
僕は小さな頃から二人を知っているので、この不思議な関係にも驚きはしませんがね。
彼の後ろからついて現れたのは、髪を爆風でくしゃくしゃにしたコギャル風美少女?
「ほら、紹介すっから、これ俺のマブダチ、松山怜」
怜ちゃんの顔は、見るも恐ろしい般若顔になっています。
「で、こっちが、って……名前なんだっけ?」
と純一郎くんがコギャル風美少女に振り向いた瞬間、
<<パシッ>>
っと、乾いた音が『無限堂』に響き渡りました。