パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
>今世紀最大の発見
「ジュンくん、また一段とオレンジだね」
僕は隣りに座った紅花のような彼をつくづくと眺めて、その場の雰囲気を和めようと言葉を発しました。
「目立てばイイってもんじゃないわよ」
怜ちゃんが厳しい口調を純一郎くんに浴びせます。
「目立つのはイイことなんだよ」
純一郎くんは、無限堂の少し乾いた土の床をじっと見つめながら、そう呟きました。
ブロロロ……
あれ、と僕が店の表を振り向くと、例のコギャルが別のバイクの背に跨って走り去るところでした。
「ジュンくん、いいのかい?」
「べつに……」
どうやら、彼の関心は既にあのコギャルにはないようです。
ちょっと気まずい雰囲気が『無限堂』を支配しかけた時、丁度イイタイミングで僕の携帯が緊急着信の警告音を発します。
限さんからです。