パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
「いつ着いたんですか?
全然気が付かなかったなぁ」
「研究所の方針で、家の車、電気自動車なの。エンジン音がしないから無理もないわ」
「って、そんなことより、葵さん、宇宙線って?
それって危ないものですか?」
僕は、葵さんが突然現れたことよりも、葵さんの言葉の意味するところの方がよほど気がかりでした。
「そんなに怖がるようなものではないわ。
宇宙線は太陽からも毎日降り注がれているものですもの。
でもこの水盤から発せられる宇宙線は宇宙軸を歪めるくらいの強さがあるの。
だから、その周りにある電気機器が誤作動を起こす可能性がある……」
「嗚呼、だから……」
僕が、なんとなく分かった気分になって頷こうとした時、原口さんが僕らの話に割って入ってきました。