パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
「葵、そんな単純なものじゃぁないだろう。
それじゃまるで、この水盤がただのスクランブラーみたいに聞こえるじゃないか」
「あら、実際そうじゃない。
宇宙軸をかき混ぜて、何の得があるのよ。
そんなことしなくったって、あたしにはその歪みが手に取るようにわかるって言うのに。
アカシック・レコードは常に一つなのよ」
「君のように、すべての人間がアカシック・レコードに触れられる訳じゃない。
ある意味、それを視覚的に三次元化することで失うものも確かにあるが……」
「シンさん、この人たち、何言ってんですか?」
純一郎くんが呆気にとられて、僕に尋ねました。
そうですよね、僕にだって意味が分かりません。