パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
「どうやらキミには霊感があるようね。
ただし、知識のない感覚的な霊感が。
怖れることはないわ。
キミが望むなら、この水盤の力によってキミの能力を解き放ってあげてよ」
「や、止めてくださいよっ!
シンさん、助けてっ!」
純一郎くんの腕を引いて立ち上がらせようとした葵さんは、原口さんに制されました。
「葵、若い子をいじって遊んじゃいけないよ」
「だって、龍太郎さん」
「君はその水盤に集中してくれたまえ」
「そ、それも、そうね」
葵さんは、小さく頷くと、原口さんに手渡された包みを抱え軽トラのほうへと歩みを進めました。
「シンくん、ちょっと手伝って貰えるかな」
僕は期待半分、怖いもの見たさ半分の野次馬根性丸出しで葵さんを追いかけます。