パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
>取扱い注意
「あ、シンおじさん!」
僕を見つけるなり、店から飛び出してきたのは、要くん。
日下部流の姉、彗さんの息子です。
<<パァッパァ~>>
危ない!
『無限堂』前のこの寂れた国道も、一時間に何台かはこんな大型トラックが行き交うのです。
僕の意識より先に、身体を動かしたのは他でもない純一郎くんでした。
「こらぁ~
よく見ないで飛び出しちゃ危ないだろ!」
純一郎くんは既に道路の反対側、『無限堂』の前で要くんを抱き上げて大声で怒っていました。
いやぁ~、こういうとこ、純一郎くんは面倒見がいいお兄さんだな。