パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
何故かこの狭い『無限堂』の店内に、大人九人と子供二人がひしめき合って水盤を囲んでいました。
限さんと奥さん、原口さんと葵さん、純一郎くんと怜ちゃん、彗さんと蓮、そして僕。
彗さんの膝の上には要くん、そして原口さんの腕の中にはまだお昼寝から目覚めないくるみちゃんがすやすやと眠っています。
今日の蔵出しの成果は、この水盤ひとつ。
なにはともあれ、品定めです。
「さて、この『水盤』ですが、これは『宇宙軸を映す水盤』と呼ばれる筈のものです。
筈と言うのはですね……
シンくん、あれを」
葵さんに促され、僕は松山さんから受け取ったこの水盤の裏書の写しを、広げてみんなに見せました。