パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
「さて、次に、この『水盤』に宇宙を映す時の注意ですが……
ここに『この水盤に向き合う者は、心穏やかでなければならない』とあるように、この『水盤』を覗く者は、現世を全うして生きるものでなければなりません。
つまり、今の自分に満足している者。
そういう者だけが、この『水盤』を覗く資格があると言えます」
「で、覗くと何が見えるわけ?」
「別次元に生きる自分の姿が見えるのです」
「パ、パラレルワールド、ですか?」
「それは、過去世かもしれませんし、軸を少しずらした平行世界かもしれません。
いや、未来世かも……
それを時間的な概念で捉えることは、無意味ですけどね。
貴方が、別次元に生きる自分の姿を見て、それを在るがままに受け入れることができるかどうかが問題なのです。
苦しく悲惨で、とても代わりたくないような生なら兎も角、楽しく満ちたりて羨むような生だったたとして、あなたはそれを素直に受け入れることができますか?」