パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
「蓮、ごめん。
なかなか、言い出すタイミングが見つからなくて。
あのね、タカヤが戻ってくるんだよ」
「えっ……」
彗さんの言葉を聞いて、蓮の表情は、僕でも驚くほど強張って固まっていました。
彼が蓮にとって、どれだけ重要な人物であるかが、誰にでも伺い知れるというものです。
「ほら、そういう顔すると思った。
蓮、わたしのことはもう気にしなくていいんだよ。
タカヤとわたしは、本当にもう、ただの幼馴染みなんだから。
それに、わたしが蓮の為に身を引いた、なんて考えも捨ててね。
わたしは、ゲンと出会って本当に幸せだったの。
短い間だったけどね。
カナメもいるし、わたしは今でも十分過ぎるほど幸せなんだから」
「スイ……」
「と言うことで、後のことは成るようになる。
さ、次、行きましょうか?」
と、葵さんの視線が何故か僕に注がれました。