パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
僕に果たして『水盤』を覗く資格があるのでしょうか?
そこのところが一番気がかりです。
葵さんの言う、覗く必要のある者が、僕なのでしょうか?
それとも、覗きたいという願望を持った僕が、単にもてあそばれているだけなのでしょうか?
「あなた、あれを」
葵さんは、そんな考えで頭を朦朧とさせてる僕なんかそっちのけで、原口さんから手渡されたペットボトルの水を水盤に注ぎ始めました。
「この水はね、白神山地から湧き出た神水なの。
波動がとても大きいの。
普通の水じゃ、この水盤の波動を受けて波打ってしまう。
でもこの水なら、その波動を吸収して鏡面を作り出すことができるの」
いやいや、全くもって、神掛かりな台詞です。