Sweetらぶ★コンプレックス
二階に上がったところで、急に鳴りだしたあたしの携帯。
…
プルル
プルルル
着信…>≫桃城先輩
「桃城先輩…?」
…ピッ
『あーッと…もしもし。』
「はい…?何か用ですか?」
『いや…何か声が聞きたくなっただけ。』
「…はぁ、それだけっすか。」
正直、わざわざ声が聞きたいだけの為に電話してくるだなんて………
楓と一緒に居た時以来かも…
『…おーい、かえでちゃん?』
「…う、ン?え、な…何?!」
『何か、考え事してた?』
何か先輩に見透かされているような気がした。
「え…や、別にー。」
『楓くんの事?』
うわー…
やっぱり、ものすっごい見透かされている。
「…まあ。昨日別れて……それで…ゥ…ヒック…それで…」
楓を振ってしまった、昨日の電話の事を思い出してしまう。
諦めるって決めたのに…
これじゃあ、しつこすぎるよ…
どうしよう。
どうしよう…
楓との思い出、消さなくちゃ…消さなくちゃ。辛いよ。
そう思い悩んでいる時に…
『……かえでちゃん、俺が守るよ。』