Sweetらぶ★コンプレックス
2人で手を重ねて、"せーのッ"で一緒に水の蛇口を開いた。
たくさんの水がプールの中へと入っていく…
【何だかあたしの心みたい…】
楓と別れて空っぽになった心に、鞠哉が入ってきて、心が満たされていく。プールを見ていてそんな感じに思えた。
「ところで、鞠哉-…部活は?」
「あぁ、、部活は、今日は休んだ。だって、プール掃除があったしな…でも、明日からは部活なんだ。」
「そっか-…遊びに行けないね。」
少しテンションが下がるあたし。
分かってはいたけど…。夏は合宿とかがあったりして遊んでいる場合じゃあないってことぐらい。
「そ-んな、ションボリした顔すんなって。あ、そうだ…来週、練習試合があるんだ。かえで、来いよ。」
「練習試合…?どこで?」
「咲ヶ森高校。場所が分からないのなら、俺が連れて行ってやる。」
「う、うン!!行きたい!!連れて行って。」
初めての練習試合応援。
どんな試合が見られるのか、ドキドキわくわくだった。