Sweetらぶ★コンプレックス
「はぁ…まぢ意味分かんないし!!」
ため息を付き、鞄を下ろしながら嫌そうに修兄に言い放つ。
「何で?お前の彼氏にはふさわしい男じゃないか?」
…か、彼氏-?!
「は…?ハハハ、何言ってんの?修兄。」
え…?という顔で修兄の方に顔を上げる。
「冗談じゃあ、無いぞ?」
「あ、あたしには、楓っていう…」
「アイツはやめとけ。」
簡単に言い放つ修兄。
幾ら兄とは言っても、これにはプッチ-ンと来た。
「修兄、幾ら兄だとは言えど、勝手にあたしの人生決め付けるのやめてよね!!!」
修兄と桃城先輩の顔が歪む…
きっと今か今かと溢れんばかりの涙が溜まっていたからだろう…
「ちょ、かえで…」
修兄は、かなり焦っていた。
まさかあたしが泣くなんて思いもしなかったのだろう…
「修兄のバカ!!もう、知らない!!!」
せっかく置いた鞄をまたからって、玄関のドアを開ける。
ガチャッ
がむしゃらに走った。
行き場所は、楓の家。
それ以外であたしの行く場所は無かったから…