恋と狼と陸上と…
夜の道を進むバイク。


気持ちよすぎて、ずっと走っていたいって思ったのに、数分でつつじ公園の前に着いてしまった。


バイクはゆっくりと泊まって、左に傾いた。


私はゆっくりとバイクから降りた。



ヘルメットを取って、その人に渡す。


「ありがとうございました。初めて乗ったけど、バイクってすっごく気持ちいいんですね。走ってるときと同じ感覚だった。私、陸上部なんです。風を切って進むのがたまらないですね。またよかったら乗せてください」


私はその人を見上げて言った。


ちゃんと向い合うとその人が私より20センチくらい高いのがわかった。


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