恋と狼と陸上と…
圭吾さんが観に来てくれた!私を観に来てくれた!


絶対に勝ちたい!誰よりも速く走りたい!


「位置について」


私は手をついて膝を地面につける。


そしてスターティングブロックに足をかける。


そして、一度顔をあげて前を見る。


私の走るコースを目で辿る。


私は手の位置を整える。



その瞬間、私の中で雑音も雑念も時間もすべてが無になる。


私はこの瞬間がたまらなく好きだ。


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