【短編】どんな君も好き


嫌だ……!


どうして?


「お母さん! お母さん!」


私は必死に呼びかける。
ダメだとわかっているのに……。


その時、


パチーンっ!


と音がした。


「お父、さん……?」


それは、私が叩かれた音だった。


「そこをどけ! お前はそんなにバカじゃないだろ?」
「お父さん! お母さん、死んじゃったの?!」
「どけと言っているだろ!!」


怖い……。
どうして?
お父さんは、もっと優しかったでしょ?
だって、ニコニコ笑ってて……。
優しかった……。
なのに、なんで?


ナンデ、私ハ叩カレチャッタノ?


ナニモ、シテナイヨ?


私の目からは涙が溢れ出す。
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