【短編】どんな君も好き


ねぇ?
みどりがいない時には、作り笑いだって見せないじゃない?
なのに、みどりがいるから、そんな風に笑うの?
みどりと、喋らないでってお願いでもするの?


「ねっ? 一緒に、ご飯食べたいなって」
「みどりがいるから、いい」
「でも、折角なら!」
「いや。嘘つきとなんて、ご飯食べない」


はっきり言ってやった。


そのまんま、いつもの様に怒ればいい。
みどりの前で、恥をかけばいい。


そう思っていた。


「嘘つき? いつ、私が嘘ついたのかしら??」
「今だけど? そんなのも、わかんないの?」
「貴女こそ、嘘なんてついてないのにおかしなことを言うのね?」
「いつもは、そう言って私に悪口言うだけじゃない。それが、ご飯だって言うなら別だけどね?」
「なっ……!?」


みどりはこっちを心配そうに見ている。


「ね? どうなの? それとも、なに? みどりの前では良い子にぶるつもりなの? 」
「あら? 聞き捨て悪いですわね。いつも、私が悪い子だと?」
「えぇ。何が、違うのかしら? 悪口は悪い事する子に入らないのかな?」


私は負けず、言い返す。


絶対に、負けないよ?
アンタのプライド汚すんだから。
覚悟しなさいよ?


「ねぇ? えみ。今の話はホント?」
「うん、ホントだよ?」
「嘘に決まってるでしょ? みどり君」
「貴女には聞いてませんよ? 委員長」


みどりは静かな声で言い放つ。


怒ったみどりは怖いんだよ?
いつもは優しいけどね?


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