【短編】どんな君も好き
「委員長は悪い人だったんだね?」
「うん……。いっつも、私に悪口ばっかり言うの!」
私はみどりに抱きついて言った。
別に、見せつけたいわけじゃない……。
ただ、
"甘えたい"
それだけ……。
怒りを買う事やってるのは、わかってた。
でも、どうしてもみどりに甘えちゃう自分がいた。
周りからは冷たい、鋭い視線がおくられている。
「えみ? 泣かないで?」
「えっ……? 私、泣いて……」
泣いてない、そう言おうとした。
けど、みどりが正しかった。
目から涙がこぼれている。
いつもは、泣かないのに……。
泣いちゃダメ、なのに……。
みんなに、なめられる……。
みどりに、迷惑かける……。
頭では、分かっているのに体は言う事を聞かない。
「僕が、守ってあげるから。泣かないで?」
「……うん、わか、ったよ……」
慰めてくれるみどり。
そんな、みどりの腕の中は温かい。
みどり……。
みどり……。
みどり……。
私の頭にはみどりしかいない。
いつもは、こんな事ないのに……。
なんで?
私、何か変わったの?
私は、自分がいつもとちはうようで、気持ち悪かった。