【短編】どんな君も好き


「ねぇ? なんで、えみの事イジメてるの?」
「……」
「人の事、イジメて何が楽しいの?」
「……それは……あいつが、先にやったの……。だから、やり返して……」


委員長は私の方を指差し言う。


「私、委員長の事イジメて、ない……」


その時、周りから、


「嘘つき」
「みどり君に、嫌われたくないんじゃない?」
「かもね~」


「だって、あいつ。みどり君がきてない時しか人イジメないし!」


そんな声があがった。


嘘……。
嘘……。
みんな、嘘……。
だって、イジメられてるのは私……。
イジメて、なんかいない……。
だから、


全部
全部
全部
全部


嘘……。


「えみ、そうなの?」


みどりに聞かれ、首を横にふる。


すると、周りから、


『嘘つき!!!』


そう言う声が、たくさん聞こえた。


違う……!
嘘……!
こんなの、嘘……!


だって、イジメられてるのは、私でしょ?

< 18 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop