【短編】どんな君も好き
「ねぇ? なんで、えみの事イジメてるの?」
「……」
「人の事、イジメて何が楽しいの?」
「……それは……あいつが、先にやったの……。だから、やり返して……」
委員長は私の方を指差し言う。
「私、委員長の事イジメて、ない……」
その時、周りから、
「嘘つき」
「みどり君に、嫌われたくないんじゃない?」
「かもね~」
「だって、あいつ。みどり君がきてない時しか人イジメないし!」
そんな声があがった。
嘘……。
嘘……。
みんな、嘘……。
だって、イジメられてるのは私……。
イジメて、なんかいない……。
だから、
全部
全部
全部
全部
嘘……。
「えみ、そうなの?」
みどりに聞かれ、首を横にふる。
すると、周りから、
『嘘つき!!!』
そう言う声が、たくさん聞こえた。
違う……!
嘘……!
こんなの、嘘……!
だって、イジメられてるのは、私でしょ?