【短編】どんな君も好き
病弱な君
病院での日々
薬の匂いのする、白くて広い部屋に一つ置かれたベット。
そこに、座っているのは私の幼なじみのみどり。
みどりは病弱で、一ヶ月に一回は必ずこの部屋にいる。
「えみ? どうかしたの?」
「えっ? 別になんでもないよ♪」
みどりは
「ふぅ~ん」
と言って、外を見る。
「なんで、えみは僕の側にいつもいてくれるの?」
「それは……!」
突然の問いかけに、私の言葉がつまる。
なんて、答えよう……。
『好き』って言っていいのかな?
「なんで?」
「前も、言ったけど……。みどりが好きだから///」
みどりはその一言を聞いて、顔を歪めた。
前も、こんな顔してた……。
どうして……?
どうして、そんな顔をするの?
私の事、嫌いなのかな?
「……僕はえみを守れない。えみが苦しんでるのを知ってても、助けてあげられないんだ!」
「えっ……」
「だから、こんな僕を好きになっちゃいけない……」
そう言って、目をそらしてしまった。
みどりは、そんな事を気にしてたの?
私はそんな事、気にしてないのに……。
まもってもらえなくたって、別にいいのに……。