【短編】どんな君も好き
「どうかしたの、えみ?」
「ううん。どうも、してないよ……」
みどりが、私をギュッと抱きしめる。
「みどり君! 騙されちゃダメ! 嘘つきはそいつよ!」
「そうよ! そうよ!」
「みんな、そいつのせいで困ってたのよ!!」
「だから、騙されないで!!」
「一番の悪はそいつよ!」
「きっと、みどり君の前では演技してるのよ!!」
「見てよ! 委員長、すごくそいつの事、怖がってる!!!」
周りが必至に、説得しようとしてる……。
でも、みどりは私の見方だよ?
見方の私以外の言う事は、聞かないんだよ?
そんな事、言ったってムダだよ?
だから、やめよう?
だって、ムダな事する必要ないじゃない?
体力使う、必要なんてないじゃない?
その時、教室の扉が開いた。
先生が来たのだ。
みんな、急いで席につく。
そして、先生が入って来た。
ふぅ~。
やっと、休憩……。
怖かった……。
だって、私に罪をなすりつけようと……。
みどりは、私の事信じてくれるよね?
だって、みどりにたくさんの事してあげてるもんね?
だから、ちゃんと私の事信じてくれなきゃダメだよね?
それぐらい、分かってるよね?
みどり……。