【短編】どんな君も好き
「ねぇ? 僕に、嘘つかないで?」
「えっ……?」
「えみは、本当にイジメてるんでしょ? 別に、怒ったりしないから言って?」
バレてたんだね……。
「ごめんなさい……私! イジメてた……! でも、先にあっちが言ったの! 仲間にいれてくれないって! お母さんがいない子なんて、仲間にいれてあげないって!」
「それで?」
「私、許せなくて! 悪口言ったりしてた……! でも、一人じゃ何にも出来なくて……! それでも、嫌だったから……。いつも持ってたカッターナイフで、切ったの…………。でも、自分も許せなくなった……。だって、悪口言って、みどりには何も言わないで……そんな自分が許せなくなった……でも……!」
「でも?」
「私は、生きてる!!!!!」
イヤ……!
もぅ、消えてなくなりたい……!
誰か、私を殺してよ……!
こんなに、汚くて……!
醜い私を!!!
誰カ、消シテクダサイ……
私はその場にへたり込んだ。
みどりは私に合わせて、しゃがむ。
「話してくれて、ありがとう」
「…………」
「もぅ、帰ろうか?」
「…………」
何も、言えなかった……。
ただ、もぅ喋りたくなかった……。
また、何か言ってしまうかもしれないから……。
いっその事、喉を潰してしまった方が楽かもしれない……。
でも……
みどりは硬くてを握り、家路を歩く。
逃げたくても……
逃げられない……。
私は、もぅおしまいなのかもしれない……
そぅ、おもっていた。