【短編】どんな君も好き
何も話さない……。
息苦しくなってくる……。
もぉ、全てが終わった……。
何もかも、終わった……。
きっと、離れてしまうんでしょ?
わかってるよ。
だって、私なんてお荷物なだけだもんね?
わかってる。
だから、大丈夫だよ?
だからね?
早く、行って?
そうじゃないと、私は泣いてしまうよ?
「みどり、今までありがと……」
「え、み? 嘘だよね?」
「ハハ……嘘なら、良かったんだけどね……ホントなんだ」
みどりの顔から、笑顔が消える。
笑って?
笑ってるみどりの方が私は好きなの。
ねぇ?
笑ってよ?
「…………ゴメン……」
そう言って、走り去って行った。
みどりの姿は、もぅ見えない。
「これで良かったんだよね?」
"人殺し"
は嘘だったんだけどな……?
「でも、いいんだ……これで……。みどりは……自由だよ……」
私の目から涙が零れる。
「泣かないんじゃなかったの?」
私はダメだね……。
ぜんぜんダメ……。
こんなんだから……嫌われちゃうんだ……。
私の目からはどんどん涙がこぼれて行く。