【短編】どんな君も好き
やり直し

本当の事



私は鈍い痛みに目を覚ます。


周りを見ると、あたりは暗くなっていた。


「私……」
「えみ!」


えっ……?
今、みどりの声が聞こえた気がした。
でも……そんなはずない……。
だって、みどりは私のせいで倒れちゃって……。


「どうして、私……生きてるの?」


私はそう口にする。


だってそうだ。
私は居場所を探してた。
死ねば、お母さんに会えた。
その方がよかった。


「えみ? えみは、死にたかったの?」


また、みどりの声がした。


「ねぇ? みどり、いるの?」
「いるよ」


私の手に暖かさが触れる。
その時、月の光で顔がみえる。


「みどり?」
「そうだよ?」
「どうして、いるの?」


私の声はついつい低い声。


怒ってるわけじゃないのに……!


「僕はえみから離れたりしないよ?」
「……なんで? ダメだよ? 一緒にはいられない!!」


ダメ……!
そんな事いっちゃダメ……!


「どうして?」


聞かないで!!

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