【短編】どんな君も好き


みどり……!
みどり……!
みどり……!


イヤだよ!
バイバイはイヤだよ!
ゴメンなさい!
もぉ、これからはいい子にするから!
だから、バイバイなんて言わないで!
イヤだよ!
怖いよ!
独りはイヤだよ!!!!


「みどりぃ……もぅ一回だけ……あ、いたい……よぉぅ……ひっく……」


ねぇ!
お願い!
もぅ一度だけ!
後一度でいい!
せめて、謝るだけでもさせてよ!
本当の事だけは伝えさせてよ!


私は立ち上がって追いかけようとする。
でも、足はうまく動かない。
それに、身体中がズキズキ痛む。
でも、それでも、私は追いかける。


だけど……。
ぜんぜんみどりの姿は見えてこない。
私はここの病院がいつもみどりが入院する病院だと気づく。


「みどり!」


私は扉を開けると同時にそう叫ぶ。


「えみ……?!」


言わなくちゃ!
いえるでしょ?
大丈夫!


「ご……」


言葉が出てこない。


言わないとダメ!
そうじゃないと……。
伝わらないよ?


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