【短編】どんな君も好き
「なっ!」
「どうしたんだい?」
「だって……!」
その時、委員長が教室に入ってきた。
「委員長!!」
「どうしたの?」
必至に説明をしている。
委員長がこちらへやってくる。
「どう言う事かしら?」
「何が?」
「みどり君になにしたの?」
委員長は私にそう聞いた。
「私、何にもしてないけど?」
「じゃあ、なんで? なんで、貴女なんかを好きになるの?」
なにそれ?!
私を好きになる人なんかいないとでも言いたいのかしら?
「僕がえみを"好き"になったんだ……と言うより、昔から好きだったんだ」
「なに? この子をかばうの?」
「君こそ、何でえみにこだわるの?」
確かにそうだ。
はじめにやってきたのは向こう。
私はいたって普通だった。
「そんなの……みどり君のせいに決まってるじゃない!」
「僕?」
「みどり?」
委員長の言葉に首を傾げる。
「そうよ。みどりが私の事、忘れちゃったから……! だから……それが、こいつのせいってわかったから!」
私を指差していった。