【短編】どんな君も好き
「どう言う事?」
聞いた事のない話だ。
だって、委員長とみどりが知り合い?
ありえない。
だって、委員長の名前の子なんて周りには……
あれ?
「委員長の名前って、みゆきだったけ?」
「そうよ。何か思い出したの?」
みどりは不思議そうな顔でこちらを見ている。
「みゆきって、みどりの
姉の名前よね?」
昔聞いた事がある。
みどりのお母さんに……。
"みどりには双子の姉がいるのよ"
って……。
でも、その子はみどりのお母さんとお父さんが離婚した時、お父さんが連れてってしまったんだ。
それで、その子の名前が、
"みゆき"
「僕に、姉なんかいない」
「そんな事ないわ。だって、私はみどり君……みどりの事をずっと覚えてた。私の事を"お姉ちゃん"って呼ぶみどりをずっと忘れなかった」
そこで一テンポおいて、
「なのになんで?! 私の事忘れて……そんな事仲良くしてるの?! 許せ無い!!」
泣きながら言葉を紡ぐ委員長。
確かにその顔はみどりにそっくりだった。
「だから……? だから、私にこんな事したっていうの?」
「そうよ!」
そんなの酷いよ……。