【短編】どんな君も好き
私はみどりの病室の前まで、来ていた。
病室の扉を開けようとした時、扉が開いた。
「あら? えみちゃん、久しぶりね」
「みどりのお母さん、お久しぶりです」
「学校は、どうしたの??」
「……それは」
私は、言葉を詰まらせた。
どうしよう……。
緑のお母さんに、心配させるわけにはいかないし……。
どうすればいいんだろ……。
「母さん、もう帰って。えみを入れてあげて」
みどりの声がした。
いつもと変わらない、元気な声。
「わかったわ。それじゃあ、またね」
「はい」
そうして、みどりのお母さんは去っていった。
「みどり、ありがとう」
「いいよ、別に。それより、学校は?」
「……サボり、かな」
「なにか、あったの?」
みどりが、心配そうな顔で私を見る。
どうしよう……。
話しても、いいのかな?
もぅ、イジメられてるのは知ってるんだし……。
いいかな……。