センパイのカノジョ

「先輩…、すみません」

「何、謝ってんだよ。心配かけさせやがって…」

私は申し訳なくなって黙り込む。

「…はぁ」

先輩は溜息をついて私を下ろす。

そこは、人気(ヒトケ)の少ない体育館裏だった。

「先輩…?」

「足、見せてみろよ」

「はい…」

私は靴と靴下を脱ぐ。

「腫れてるな…」

先輩が私の足をくいっと捻ると、また痛みが走った。

「痛っ」

「今日、他に何に出る?」

「あとはリレーだけ…」

「……そうか」

なんか、嫌な予感がした。

「先輩?」

「お前、リレー出んな」

…やっぱり……。

「わ、私大丈夫です!リレー出ます!!」
< 30 / 58 >

この作品をシェア

pagetop