センパイのカノジョ

「ふざけんな!悪化したらどうすんだよ!」

先輩の声にビクッと反応する。

「…でも……」

私は下を向いて涙を拭う。

「…由莉」

先輩が私を抱きしめた。

「頼むから、これ以上心配かけさせないでくれ」

「京介先輩……」

私は先輩の背中に手を回して力を入れる。

「…由莉、分かったか?」

「……ん…」

私が頷くと、先輩は私から離れてオデコにキスをした。

「……せんぱ…」

「リレーで優勝したらコッチにして」

ニヤッと笑って先輩は自分の口元に手をおく。

「なっ…」

「さて、保健室行くか」

そう言うと、先輩はまた私をおんぶして保健室に連れていってくれた。
< 31 / 58 >

この作品をシェア

pagetop