センパイのカノジョ
それから保健室で手当てを受け、リレーは棄権した。
代わりに真奈ちゃんが走ってくれることになった。
私はまだ痛む足を少し引きずりながら皆のいる応援席に向かった。
「由莉ちゃん!大丈夫?」
「なんとか…」
「ごめんね、うちらがしっかりしてなかったから…」
声をかけてくれたのは一緒に騎馬を組んだ子達だった。
「ううん、私も着地できなかったのがいけないし。それより!今はリレー応援しよ!」
トラックでは、もうすぐリレーが始まろうとしていた。
「真奈ちゃーん!悠斗くーん!頑張ってー!」
私はスタート前の二人に手を振る。
「応援するほうが違うんじゃないのー!?」
そう返して真奈ちゃんは自分の斜め後ろを見る。