センパイのカノジョ


先輩の誕生日当日。

土曜日の午前部活が終わる頃を見計らって学校に行く。

手にはケーキの入った紙袋と、大きなお泊りセット。

「あ!先輩っ」

部室から出てくる先輩を見つける。

「待たせてわりぃ」

「大丈夫ですよ!それより、本当に泊まっちゃってもいいんですか?」

「いいよ、どーせうち今親父出張だし母親は夜から仕事、妹は変に気ぃ使ってどっか行くし…」

そう言って私の手から荷物を取る。

「重たくないですか?」

先輩の手には自分の部活道具と私のお泊りセット。

「ったく、一泊なのに何をこんな持ってきてんだか…」

先輩笑いながら荷物をもう一度持ち上げる。
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