君に、恋した。
「鈴ー!」
「ああ…アユちゃん」
くるんとカールされた栗色の髪が、
講義室の窓から吹く風に靡いた。
彼女の名前は早坂愛弓(はやさか あゆみ)。
可愛くて、明るく優しい。
私の自慢の親友なんだ。
時々…意地っ張りで、頑固なのが玉に瑕かな。
「また…見てたの?」
アユちゃんは私のことを、
切なそうに見る。
「あ…うん」
「もーっ!!ありえないっ!」
「へっ?」
「新藤なんかやめて私にしない?」
アユちゃんはいたずらっ子みたいな顔で私を見た。
私を元気づけてくれてるために、言ってくれてるのがすごく嬉しい。
「ほんと――アイツのどこがいいんだか」
「だからいつも言ってんじゃん!綾崎さんを見てる表情、仕草だよ?」
「…本当に鈴って好き者ね………」
私の大好きな、片想いの相手 新藤君は…
綾崎さんの彼氏です。