君に、恋した。
私は渋々居酒屋へと行く。
飲み会とか嫌いなのに、大学生になると何故かみんな居酒屋に行きたがる。
なんでなんだろう…
誰が来るか分からない飲み会ほど怖いものはないよなぁ…
まぁ、アユちゃんの隣にずっといればいいやと思っていた。
だけど、
神様はどこまでも私にいじわるしたいらしい。
「あ、新藤君じゃ~ん♪」
アユちゃんは居酒屋で新藤君を見つけるなり、
駆け寄った。
アユちゃんと新藤君は結構仲良し…って言っても、
私に協力するためアユちゃんが頑張った
っていってもおかしくはないかも…?
かくいう私は、会ったら挨拶する程度で、
メアドとかも知らない。
「早坂、佐伯まで。来てたんだ」
無表情だけど、声に優しさがある。
あ~…新藤君の声聞いたの久しぶりだよ~!!
嬉しいっ!
居酒屋…飲み会来てよかった!!!
一人で幸せになっている私をよそ目に、
新藤君は私に現実を突き刺した。
「無理やりつれて来られたのよ~あ?その子もしかして??」
アユちゃんがちょっと怪訝そうな顔をした。
「俺らもだよ。あ、そういえば、紹介まだだっけ。俺の彼女。綾崎 緑」
隣に座っていた、白いワンピースの女の子が不安気に微笑む。
アユちゃんが可愛いからかしらないけど、
警戒心むき出しだ……。