Change me


 言われ慣れている言葉のはずだった


 なのに何故か、心が悲鳴をあげていた


 私は、この卒業式という特別な日に
 何かを期待していたのかもしれない


 最後くらい、いいこと、言うかなって



 その言葉は、とても力を持っていて
 私の心をずたずたに引き裂いた


 涙は出なかった


 だって私は、誰にも女と認識されない
 男のような、女だから



< 6 / 188 >

この作品をシェア

pagetop