許されるならば
プロローグ
"佐伯優奈"
それが私の名前。
でも、私に名前なんてない。
家にいても、呼ばれるのは私じゃない。
妹の"優子"だから
私はもっぱら、お前とかおいっ!とかしか呼ばれない・・・。
いつからだろう。
分からない・・・・・・。
学校は楽しい、友達もいるし、彼氏もいる。
けど、こんなこと話せない。
誰にも──話せる訳ないよ───。
私は、1ヶ月後、すべてに裏切られて絶望することになる。
どうして、私は生きているの───。