BLUE-PLANET
「私もね、“隆也君”じゃない“隆也君”に会って、分かったよ。夢はその夢に対する思いが強ければ叶うんだ、って……。でも、叶ってしまった夢からは、醒めてしまうんだね」


「けど、また新しい夢を、見付けるんだろ?」


「……そうだね」




私のその返事を聞いて、隆也君が笑った気配がした。




「大丈夫だよ。今の彗の願い、きっと叶うさ」


「えっ?」


「元の世界に、帰りたいんだろ? 『あっちへ行った彗』だって、きっと、そう思っている筈だよ」



隆也君は、独り言のように呟いた。


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