イルカと星の物語
一体何事かと思いながらも咳き込むハナミノカサゴのおじさんのすぐ側で、
ケラケラと笑う声がします。
びっくりしてそちらの方を向くと、一頭のイルカの男の子が
こちらを向いて大笑いしていました。
このイルカの男の子が、おじさんのひれを、そのお口で引っ張ったのでした。

「おじさーん!今日も素敵なヒラヒラだねー!!」

イルカの男の子はそう叫ぶと、くるっと方向転換して一目散に泳いでいきました。
ハナミノカサゴのおじさんは、またアイツときたら…という風に、
今度こそ本当にため息の深呼吸をしました。
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