イルカと星の物語
しかし、それでも一人で群れを離れるのはまだまだ危険です。
この男の子も、他の同じくらいの子達と同じように、
今はまだお母さんの側にいるのが普通でした。

「そうね、坊やは勇敢かもしれないわね。」
お母さんは、男の子の白くてツヤツヤの柔らかそうなお腹を見ながら言いました。
「だけど、一人で遠くに行くのは絶対ダメよ。
海には、坊やが知らない危険なことがたくさんあるんだから。」

すると、「わかってるよ」と男の子はまた口答えをするように言いました。
「大きなサメの話でしょう?何度も何度も聞いたもの。
『すごく大きなザラザラした体で、
大きな口のとがった歯でバクっと坊やを食べちゃうんだから』
でしょう?」
男の子はお母さんの口真似をしながら調子よくしゃべりました。
< 7 / 18 >

この作品をシェア

pagetop