僕の声は透明インクで出来ている。
ハトに恋したカラス
僕はカラス。
孤高を気取って
黒い体に誇りを持つ。
黒は他の色に染まらないんだぜって
ガラガラ声で
軟弱なやつらを威嚇する。
君はハト。
みんなの色を取り込んで
白い体を美しく染める。
みんなに慕われ
みんなに好かれ
僕にまで好かれ。
君は優しくて
誰にでも優しくて
僕のことまで気にしてくれるけど、
僕が君に近づくと
白い君まで黒く染まってしまうだろ。
二度と落ちない黒に。
僕は白い君が好きだ。
だから僕は君を威嚇して
君を突き放して
君を守るよ。