僕の声は透明インクで出来ている。
未解決事件
 

僕が贈ったピアスをつけて
僕が褒めた口紅を塗って
僕が好きな香水をふって
僕の身体にすがりついて

僕の耳元に囁く君。



「好きよ」



その甘い甘い言葉が

真実なのか
偽物なのか

判断する手だてはどこにある?



「証拠がなければ
安心できないなんて、

まるで臆病な探偵さんね」



でも、どんな名探偵だって
君の心の中を覗けやしない。


これは僕だけに与えられた、

永遠の未解決事件。

 
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