僕の声は透明インクで出来ている。
僕は格好悪い。
君はどうして
「格好悪い」って
言われるのが怖いの?
僕はもう言われ慣れたよ。
だって僕は
母ちゃんの乳を吸って
父ちゃんにぶん殴られて
姉ちゃんと喧嘩して
弟にも負けちゃって
エロいことに興味を持って
好きな娘にふられて
友達に励まされて
ちょっと悪いこともして
でも悪い奴にはなれなくて
だからっていい奴にもなれなくて
そんなふうに格好悪く生きてきた。
僕は格好悪い奴が大好きだ。
だから君のことだって
大好きなんだよ。