ふたりぼっちの家
あの親子は、もう必ずといっていいほど、家にいりびたるようになり、私は家にいることが少なくなった。

だけど…お父さんは私に最悪な一言を突きつけた。

『ただいま』

「美玲、飯は?」

『食べてきた』

家でご飯なんか食べる気にならなかった。

「食べてきたんなら一言よこせよ」

『…はい』

「あと…最近あんまり家にいねーけど、もうお前帰ってこなくていいから」

「尋冶さん…!!」

「いいんだ」

『…は?』

「もうお前、いらねぇから」

『…』

あまりのショックに声がでなかった。
とにかくこの場を去りたくて荷物を全てまとめ、なんとか近くの公園まで持って行った。

『学校どうしよう…』

途方に暮れた私は、公園のベンチで星を眺めた。
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