紅兎
マスターが一息ついて、新聞紙を広げた。現在の客はシン一人しかいない為、他にやる事が無いと言っても良いだろう。

「しかしお前もそろそろ、まともな職に就いたらどうだ?派遣ばっかじゃなくてよ。23歳っつったら、そろそろヤベェぞ?」

「そんな上手くいかねーだろ。それに、ビビっとくる求人とかねぇし」

「お前のビビってやつはどんなのだよ」

「まぁ幹部以上だな。あと書類選考も無し。俺中卒だから、そんなの一発で落ちるし…そんな都合のいいやつがあれば意地でも受かりに行くけどな」




バサァ
マスターがシンの前に、無言で新聞を広げた。






(・_・)





(・_・;)





「アヒヘ!!?」
シンはパンでいっぱいになった口で、何かを叫んだ。

「なんだって?」
マスターは冷静に対応する。

コーヒーでパンを流し込む。

「マジで!?こんなのいつからやってんだよ!!まだ間に合うか!?」
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