狼彼氏とお嬢様♡



「…あんたが教えてくれたようなもんだろ?
あたしに、さぁ…?

あの日、この屋上で…。」




あの日…?

この屋上で…?




さっきから、2人の会話を理解しようとしても、しきれなかった。



“あたしが言いたいこと”


“あの日”



真衣は、何を考えて…思って…いるの?




「……面倒な女は好きじゃない…。」



ボソリ、言った婁唯の言葉。

私は唇をきつく結び婁唯をみつめる。





「…俺は、もう……。

いや、まだ……。」


「……。」




今まで表情一つ変えずに反論していた婁唯が顔をゆがませる…。


下唇を噛む婁唯は、今にも泣き出しそうだった。


どうすれば、いいの…?

私にできることは何…?




そんなことを考えていると、婁唯が口を開く。





「女々しい男もいやでしょう。
もう振り向いてくれる見込み無い女追いかけるのなんてやめましたよ。


ただ…愛だの恋だのを取り除いて、一番大切な人には変わりない。」









そう言って、婁唯は私を見つめるのだった―――……




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