狼彼氏とお嬢様♡
「支葵のことだけど。」
そう、話を切り出して……。
「支葵に俺の一番欲しいものもっていかれたし…」
一番欲しいもの…
否、“欲しかったもの”
「俺が凛城家継いでいい?」
俺がそう言うと穂乃歌はキョトンとして。
『……そんなこと…?』
首を傾げてそういったんだ。
「そんなことじゃねぇだろ。
一番欲しいものもってかれたんだよ。」
…天然はコレだから困る。
『ナニソレ。意味わかんないー。』
「…バーカ。鈍感。天然。」
『はぁ!?
あんた誰に向かって物言ってるのよ!』
「穂乃歌。」
『凛城の長女よ!
あんたのお姉様でしょう!?』
「俺はお姉さまとか穂乃歌に似合わないと想う。
つーか姉なんて想ってないし?」
…お姉様、か…
マジで、思ったことなんてないよ。