狼彼氏とお嬢様♡
お手をどうぞ、
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慌ただしい春も終わりを告げ、暑い夏がやってきた。
水無月。
私は下校の車中、支葵から意味のわからない言葉を耳にした。
「明日、土曜だよな。
お屋敷に行くから。」
『え?』
「そーゆーことだから。」
ちょっと待て?
決定事項なのかっ?
脳内処理できない…!
「大丈夫。
何も考えなくていいから。」
『ますます訳わかんないし不安になるんですけど…?』
「ふっ…、可愛い。」
『はぁ??なんでそおなるかなぁ…』
なんて言いながら、内心嬉しい私は
照れ隠しに支葵から視線を逸らして窓の外へと目を泳がせた。
それを見透かしているかのように
隣では支葵の小さな笑いがしばらく耳を掠めていた。