二 億 円
忘却された光
真っ暗な闇が支配する
光なんて無くて
希望なんて無くて
声も出ないし 涙も出ない
ただ ただ
時が過ぎるのを待った
意識が朦朧としてきたら、自分で傷口を開いて
痛みで自分を保った
「死にたい。」とは思わなかった
「死んでしまえ。」とは思った
食事は私が眠っているときに運ばれていた
最初の何日間はどこに食事があるか気づかなくて食べれなかった
一週間経った頃には、物がどこにあるのか、匂い 気配で判断できるようになっていた
この部屋で罰を受けて何日目だろうか
恐らく二週間…いや、それ以上か
常に暗闇のこの部屋では、私は目が見えているのか見えていないのかすら分からなくなっていた
涙も出ず 声も出ず 終いには目すら見えなくなってしまったのではないか?
そんな不安に胸は締め付けられていった
蝕まれていった。